訪問先の京都の町を、傘をさして歩いていました。
僕の前に、僕と同じくスーツに大きなカバン、傘を差した、MR風の若い人が歩いていて、しとしと雨の降る細い路地は少し風情もありました。
前方から、着物の婦人(30歳ぐらいかな)が、同じように傘を差して歩いてきました。どうも、美しい感じのかたです。雨の日、着物は大変だそうですが、風情はなんともいえないものがあります。
ただ、この路地は細く、傘を差したまますれ違えません。
こんなとき、自然と、傘をかしげて、ぶつかるのを避けますよね。あなたもたぶん避けると思います。
僕の前のお兄さんは、婦人に気づいていなかったのか、そのまま進んでしまいました。傘をしっかり差したまま。婦人は、すれ違うときにすこし傘をかしげて避けましたが、お兄さんがそのまま進んだので、傘はぶつかり、お兄さんの傘から大粒の雨しずくが婦人の着物に。。
あ~あ。。
数秒後、すこし険しいような悲しいような表情になってしまった婦人と私はすれ違いました。もちろん私は傘をかしげて、少し上に上げて。婦人は袖の雨を払いながらも傘をかしげて少し会釈してくれたように見えました。
ちょうどすれ違うそのときです。婦人はさっきの若いお兄さんを振り返って、小さくこう一言発しました。ちょっと僕にも聞こえるように。
「いけずやわぁ。」
いけず、 いけず、あぁ い け ず なんとかわいらしい、京都らしい言葉でしょう。
標準語に直すと「意地悪」ぐらいの意味でしょうか?
きれいな着物美人に眉根を寄せて「いけず」なんて言ってもらえるなら、いっそぶつかってみたい気持ちにさえなりました。
雨の日、路地は、マナーをもって歩きましょう。
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