当たり前のことを当たり前に実行するためのメモを、少しずつ残してゆこう。
規模の大小によらず、システムを開発するときには、事前に決まっているはず(べき)ことがらがいくつかある。
- 仕様
- 品質基準
- コスト計画
- 開発期間(サービス開始日と設計開始可能日、製造開始可能日)
- 使用範囲、稼働時間などの制限事項すべて
- 停止時の対応方法
- 開発の各パートの責任分担
- 開発に当たっての優先事項
(機能なのか納期なのか手段なのか、またはそのほかにあるのか) - 開発に至った背景
etc.
(もっと網羅的なリストに関しては、PMP関連の書籍に詳しいので当たってみてほしい。)
システム開発は、クライアントが、そのシステムを導入することによって利得(多くの場合は業務の効率化と精度アップ、スケールアップ)を得ることを前提にお話が始まるので、ここは最後までクライアントのメリットを追求しないといけないのだと思う。最後にあげた優先事項と背景あたりは、往々にしていい加減な扱いを受ける。ここにクライアントの魂がこもっていることが多いのに、だ。
SEの業界では、ここのところをきちんと咀嚼できてシステムの設計に反映できて実際にクライアントを喜ばせるSEをスーパーSEなんて呼ぶことがある。これが出来るSEは意外と少ないのだ。
ものづくり稼業を続けていると、新しくプロジェクトを手がけて、送り出して と繰り返すうちに、手がけているシステムの本当の姿を見失うときがある。クライアントと一緒に、そのシステムが動きはじめるところを、感動を持って見つめられるようなそんな心が、どこかでほこりをかぶったまま、存在さえ忘れられてしまうのである。
自分の喜びのポイントが、クライアントの満足とは離れてしまうときである。自分のものづくりスキルの自信が過信に変わったり、プロとしての矜持がいつの間にか高慢な心になったり、そういうことだ。
これは自分ではなかなか気づかない(だからこそそれは起こる)が、それはクライアントの眼から見れば一瞬でわかる。
自分のために仕事をするのは結構なのだが、仕事のアウトプットが自己満足的なものになっては、もはやプロではない。ましてや相手の立場や尊厳を傷つけては、すべてが台無しになる。
そんな事例を見かけたので、自分はこうなりたくないと強く感じた。忘れないために書き残すことにした。
お久しぶりです。今回の内容はとても共感する部分が大いにありました。
返信削除自分の喜びのポイントが顧客満足ではなくなったときはそれを仕事としてプロとして続けることを止めるべき時かと思います。
どんな仕事でもプロと評価するのは自分自身ではなく顧客やそれに今後なりうるひとであることを忘れずにしていきたいと思います。
改めて考えさせられることですね。