ほとんど毎回お会いする、おっちゃん<B>。おっちゃんというとちょっと申し訳なくて、実は彼のほうが1歳年下であるが、ここではまとめておっちゃんに統一させてもらおう。話し方も雰囲気も堂々としてたもので、何か「話す商売」の方かなあ と、勝手に想像していた。それくらい、お話がスマートで声質も聞き取りやすく、滑舌も良く、ついついウンウンうなずいて聞いてしまう。そういう、うまさなのだ。おっちゃん<B>の2つ目の特徴は身なり。いつも身奇麗で、暖色系ですっきりしたスタイルでキメて居られる。自然と、清潔でやさしい、誠実なイメージを持つようになった。おっちゃん<B>は、カウンタで、しきりにものを書かれる。手紙を書いておられるのだ。内容なんてもちろん聞けないが、英文で手紙を書いておられる。のぞいたんじゃない。ちらっと見えたのだ。前に一度、彼の携帯電話が鳴った。2つ折の電話機を広げながら店の外へ急ぐ彼。ドアをくぐるその瞬間に聞こえたのは、「Yap!」。 素直に「かっこいい~~」と感じることが出来た。日常で英語を使う人がまわりにいないと、こういうときに非常に強い刺激を受ける。海外を行き来して商売なさっているらしい。
余談だが、今の職場に私の苦手なオニイサンが居て、なぜ苦手なのかというと、電話口でとか会議中にとか、普通に「はい」とか「そうです」と言えばいいところで、カレは、大きめの声で高らかに「イエ~~ス!」とか言っちゃうのだ。。。この二つは似ているがぜんぜん違う!!お分かりだと思うが、おっちゃん<B>は、相手が英語なので、英語で会話しようとしている瞬間だ。カレは、周りが全員日本人で、会話も日本語であるにもかかわらず、「イエ~~~~ス!」なのだ。ちなみに、他には、「その点は了解しています」の代わりに「理解。理解。理解。 その点は理解。」というパターンもある。言っちゃあ悪いが気持ち悪くて仕方ない。
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この、おっちゃん<B>をはじめ、この店のお客さんにはスマートななりをした紳士が多い。紳士といっても、みんながパシッとスーツなわけじゃなく、カジュアルもワイルドもオーセンティックもありありの中で、かっこいいおっちゃん(にいちゃんも)ばかりなのである。この辺一帯が繊維で栄えている街であるだけに、さすがこの街、と言うほか無いが、服装を見ていて悪い意味で気にかかるケースはゼロ%だ。加えて、社長業とか商店主とか、独立心が強く、独特の生き様を楽しんでおられる方、個性が強い方々が多いのも事実。今までお会いしたかたがたはほとんど全員、濃いキャラクタだ。かといってお客さん同士がぶつかり合うことは無い。調和しているのだ。
前回書いたが、ちょっとぐらいのズレや摩擦は酒と笑顔で軽くいなしてしまうぐらいで無いと、こういう店の飲み方には合わないのかもしれない。