2008年2月25日月曜日

サービス

GIGAZINEさんの記事魔法瓶が壊れたので「タイガー魔法瓶」に修理依頼をしてみたよレポート が印象に残った。

タイガーさんの修理サービスはすばらしいことがわかったが、では顧客満足を得るサービスのためのポイントとはどんなところだろうか。
簡単に思いつくのは、
・消費者の観点で不便を減らしてある
・消費者が大事にすることを、サービス提供者もいっしょに大事にする
・手続きや取引をスムースに進めるための目新しい工夫が1つ以上ある
・サービス提供者が行ったことを出来る限り詳しく開示、説明している
といったところだろうか。これがホテルマンなら鬼軍曹のような先輩に「あたりまえ」と言われかねない内容だが、利用者が不便さに気づく前に、それを完全にカバーする対応を案内し、実行する というのは、一朝一夕にできるものではない。
この修理サービスのスキームを練り上げた人は、ホテルで言うとコンシェルジュのようなセンスだなと感じた。

顧客が何を求めているかの研究を、うちももっとすすめないと。

ふと思い出して、少し前に買ったこの本を振り返った。

顧客のニーズに細やかに応えることで成功した事例が満載されていて参考になるが、成功体験の追体験はそうそう簡単にうまく行くものではない。
あくまで参考にしたいと思う。

Roman Andren -JUANITA-

時間つぶしに立ち寄った梅田のTOWER RECORDSで、Roman Andrenを聴いた。

このアルバムをディスプレイしてあるラックにド派手なコメントのPOPがあってちょっと引いたが、買ってみると、なるほど、きれいで丁寧な音作りで、安定感も色彩もある。とても気に入って、この週末、娘をだっこしている間ずっとリビングに流してた。

アルバム JUANITA のタイトルは彼の愛娘の名から取ったそうだ。
 2.Bumblebee 
 4.O Sapo
 9.O Mundo  É Seu
が特に惹かれるナンバーで、清潔感があってやさしい恋人と午後のひと時をゆったりと過ごしているような気分にしてくれる。
なんともスマートなAndrenの鍵盤捌きは、まさにTowerのPOPどおりで、独りよがりでない、よく抑えの効いたアドリブのような心地よい新鮮さ、構成や進行は様式美を求めるファン層にも受け入れられる誠実なつくり。音色やリズム、フランジャーの係り具合も絶妙に70'sを思い起こさせる。

13.Love Has A Name
は日本向けボーナストラック。この曲だけほかと少し違うトーン。
ロバートパーマーのバラードのようなほろ苦いメロディーの感じと少し甘いヴォーカルが妙にバランスしていて、これが一番最新の録音なら、この曲で次のアルバムの方向性も少し見せてるのかな、とか、つい考えてしまった。

Towerに行って衝動買いも、いいもんだ。

2008年2月8日金曜日

選択

当たり前のことを当たり前に実行するためのメモを、少しずつ残してゆこう。

規模の大小によらず、システムを開発するときには、事前に決まっているはず(べき)ことがらがいくつかある。

  • 仕様
  • 品質基準
  • コスト計画
  • 開発期間(サービス開始日と設計開始可能日、製造開始可能日)
  • 使用範囲、稼働時間などの制限事項すべて
  • 停止時の対応方法
  • 開発の各パートの責任分担
  • 開発に当たっての優先事項
    (機能なのか納期なのか手段なのか、またはそのほかにあるのか)
  • 開発に至った背景

etc.

(もっと網羅的なリストに関しては、PMP関連の書籍に詳しいので当たってみてほしい。)

システム開発は、クライアントが、そのシステムを導入することによって利得(多くの場合は業務の効率化と精度アップ、スケールアップ)を得ることを前提にお話が始まるので、ここは最後までクライアントのメリットを追求しないといけないのだと思う。最後にあげた優先事項と背景あたりは、往々にしていい加減な扱いを受ける。ここにクライアントの魂がこもっていることが多いのに、だ。

 

SEの業界では、ここのところをきちんと咀嚼できてシステムの設計に反映できて実際にクライアントを喜ばせるSEをスーパーSEなんて呼ぶことがある。これが出来るSEは意外と少ないのだ。

ものづくり稼業を続けていると、新しくプロジェクトを手がけて、送り出して と繰り返すうちに、手がけているシステムの本当の姿を見失うときがある。クライアントと一緒に、そのシステムが動きはじめるところを、感動を持って見つめられるようなそんな心が、どこかでほこりをかぶったまま、存在さえ忘れられてしまうのである。

 

自分の喜びのポイントが、クライアントの満足とは離れてしまうときである。自分のものづくりスキルの自信が過信に変わったり、プロとしての矜持がいつの間にか高慢な心になったり、そういうことだ。

これは自分ではなかなか気づかない(だからこそそれは起こる)が、それはクライアントの眼から見れば一瞬でわかる。

自分のために仕事をするのは結構なのだが、仕事のアウトプットが自己満足的なものになっては、もはやプロではない。ましてや相手の立場や尊厳を傷つけては、すべてが台無しになる。

そんな事例を見かけたので、自分はこうなりたくないと強く感じた。忘れないために書き残すことにした。

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