フレッシュネスバーガーを時々利用していた。
(お察しのとおり、私が、大好きだったフレッシュネスバーガーにとてもひどくがっかりし、今後利用しないことに決めたいきさつを書いている。興味のない方は次の記事へどうぞ。)
フレッシュネスバーガーの「クラシックバーガー」が味もボリューム的にも気に入っていて、時々、お昼にテイクアウトしてオフィスで食べていた。
ある日の昼食に、以前から興味があった「クラシックWWバーガー」をテイクアウトしてみた。MACでいうビッグマックにあたる、一番大きなハンバーガー。
オフィスに戻って紙袋を開けると、ラッピングペーパー(F社ではこの紙に色々とこだわりがあるそうだがいまではとても疑問だ)2枚で包まれた大きなハンバーガーが目に入る。ほほの緩む瞬間だ。
旨そうなパティのにおいがいつもより強いのは、きっとそう、パティがWだからだ。
そうにちがいない。
ほんのりチーズの香りもただよう。
この店のたまねぎはサラシがあまく、とても辛くてにおいもきつかったので、今回もたまねぎ抜きで注文した。
ちょっとカロリーオーバーだがこれはかなりのお気に入りになるに違いない。。
では。
と、手に取った瞬間、指先に感じた強い違和感に、思わず手を離して、元の紙袋の中に落としてしまった。
「????!!」 包み紙が、肉汁でボトボトに濡れている。。。。2枚でラッピングしたのはこういう訳か。。
恐る恐る(机に汁がぽたぽた落ちたが仕方なかった)開けてみると、ぬれているというより、出来上がってから汁をぶっ掛けたように、広げた包み紙のシワをツツーっと汁が流れるほどにぼとぼとだ。
ハンバーガーファンならご存知のとおり、数あるハンバーガーショップの、いくつかのメニューでは、テイクアウトしたハンバーガーが、家に帰ったら肉汁や湯気でしっとりしてしまい、店で食べるのとは少し違った食べ物になってしまうことが少なくない。(とくに、モスやウェンディーズなどはさむ具材がリッチなものはこういう傾向がある。だからできるだけハンバーガーはできたてを可能な限り早く食べるほうがいいのだが。)
今回は別格。
バンズも、湿っているというよりは汁に浸したようにぐちゃぐちゃになっている。
とてもこれが正しい「「クラシックWWバーガー」だとは思えない。
オフラインで私を知っている人ならご存知と思うが、私はハンバーガー、ハンバーグが大好きである。作り方や材料に細かい知識があったり、ハンバーグを評価する組織に所属したりしているわけではないが、私が世界で一番好きな食べ物は、ハンバーグである。
だから、ハンバーグ関連で私をがっかりさせるような出来事には、できる限り遭遇したくないのだが、運悪く遭遇してしまった時に、その「がっかり」が、手抜きや怠慢によるものだったりすると、立ち直りがたいショックを(ごく短時間だが)受ける。15分ほど、悲しい気持ちになってしまうのだ。
今回は最悪の事態のようだ。
こんなボトボトは、包む時に、まず、気づく。はず。
そして、余分な汁をとるなど、対策する。はず。
持って帰ってこのお客さんがこの紙をあける時に、このバンズはもう、味噌汁の麩のように汁を吸ってむにゃむにゃになっているだろう。。そういうことも、想像がつく。はず。
食べる時に包み紙の四辺をうまく内側に折りたたんで、汁がこぼれないように、傾けないように口をできるだけ近づけて食べていると、手や頬やメガネに、おいしいパティのおいしい汁
が付いてしまい、それを洗面所で洗うのはとても面倒だということも、想像してほしかった。
その店に苦情を言いに行ってもそれは解決でないような気がした。
なにより、その、汁だらけのハンバーガーを店に持っていって、込み合っているカウンターで汁の説明をする中年男性(私)の、あまりかっこよくない状況を想像すると、とてもやりきれない気持ちになったので、この会社に事情を説明して改善して頂けるようにお願いをしようとおもった。
ホームページで消費者相談窓口を探したのだ。
しかし、フレッシュネスバーガーさんは「ご意見窓口」「カスタマー窓口」のようなものを一切持っていないようだ。
今のご時勢、消費者とやり取りをする窓口をもたないことには少し驚きだが、先のボトボトバーガーと、消費者窓口の記載のないWebサイトを見ると、消費者の立場で、食べる人の立場でものを考える会社ではないのだな、というのが感じられたので、内密に穏便にすませたほうが会社にとってもわたしにとっても、ちょうどいい解決になるのだというような優しい気持ちは何処かに吹き飛んでしまった。
憤りを抑えながら、両手を汁だらけにしながら、このさい略称に格下げの「クラWバーガー」をなんとか食べ終えることができたが、あんなに大好きだった肉厚のクラシックパティが二枚も入っているのにもかかわらず、おいしいとは全く感じなかった。
「食え」とばかりに、乱暴に目の前に食べ物を出され、甘んじてそれを食べているような、そんな気持ちになった。盛り付けの雑な料理は食べる人の喜びと感謝を踏みにじる。それと同じだろう。
「こんなもん食えるか!」と捨ててしまえるような心の持ち主であったなら、いくらか救われたかもしれない。
私にできる精一杯のことは、『あんなものはもう食べない。』
客商売で一番怖いのは、黙って離れていく消費者だ。
クレーマーなんて、親切なのだ。時間を割いて、詳しく事情を説明し、部外者なりにも会社の問題点を分析して一生懸命それを伝えようとする。いわばネガティブ要因専門の社外コンサルテーションスタッフだ。
私も、大好きなフレッシュネスバーガーがもっと良くなるように、「汁でボトボトではないハンバーガーのほうが、今より売れますよ、きっと」って、伝えたかったのだが、それをする手段がなくてとても残念だ。
食べ飽きたはずのビッグマックの、どちらかというとジューシーではない薄いパティの味わいが、とても恋しくなった。